海上交通における学生の方向感覚とランドマークの特定
海上交通の事故である海難は,他の産業と比較して発生件数は少ない.しかし,一度発生するとその被害は莫大なものになる.船舶は乗組員が交代しながら24時間体制で運航されている.乗組員は,操縦を担当する乗組員だけでなく,機関を整備する乗組員等が乗船勤務しており,生活を伴う移動する職場である.その職場の安全が脅かされるという意味で,海難は労働安全上発生してはならないものである.船舶を安全に操るためには,陸上にある灯台や島といったランドマークを手掛かりとして自船の位置を把握する必要があり,そのためには,水平視点で見ている自身の網膜に映る像と,鉛直上方から見下ろすような俯瞰的な視点で描かれた平面図である海図...
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| Published in | Rōdō anzen eisei kenkyu Vol. 11; no. 1; pp. 39 - 46 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
Tokyo
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
01.01.2018
Japan Science and Technology Agency |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1882-6822 1883-678X |
| DOI | 10.2486/josh.JOSH-2017-0011-GE |
Cover
| Summary: | 海上交通の事故である海難は,他の産業と比較して発生件数は少ない.しかし,一度発生するとその被害は莫大なものになる.船舶は乗組員が交代しながら24時間体制で運航されている.乗組員は,操縦を担当する乗組員だけでなく,機関を整備する乗組員等が乗船勤務しており,生活を伴う移動する職場である.その職場の安全が脅かされるという意味で,海難は労働安全上発生してはならないものである.船舶を安全に操るためには,陸上にある灯台や島といったランドマークを手掛かりとして自船の位置を把握する必要があり,そのためには,水平視点で見ている自身の網膜に映る像と,鉛直上方から見下ろすような俯瞰的な視点で描かれた平面図である海図を一致させる必要がある.ランドマークの特定に関して学生の個人差があるように感じられ,経験による指導だけでなく学生の特徴を把握し,指導法を考える必要がある.本研究は,船長・航海士を養成するコースの学生を対象に,海上交通におけるランドマークの特定について方向感覚と動機の影響を検討することを目的とし,海図描画課題と質問紙調査を行った.その結果,海上交通における学生のランドマークの特定について方向感覚が要因として存在することが推察され,学生の方向感覚に応じた指導方法を検討する必要があると考えられた. |
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| Bibliography: | ObjectType-Article-1 SourceType-Scholarly Journals-1 ObjectType-Feature-2 content type line 14 |
| ISSN: | 1882-6822 1883-678X |
| DOI: | 10.2486/josh.JOSH-2017-0011-GE |