ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術のラーニングカーブについての検討―手術工程別所要時間の推移
ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術 (RARP) のラーニングカーブについて検討した. 単一術者が施行した200例を対象とし, 時期により4群に分け, 周術期成績, 病理結果, 機能的予後を後方視的に比較検討した. 主要評価項目は手術時間の推移とし, 手術の各パートにおける所要時間の推移についても検討した. 4群間の患者背景に差はなかった. 手術時間は初期の50例と比較しそれ以降の症例では有意に短かった. 症例を重ねるに従い多くの手術工程で所要時間は短縮したが, 膀胱頚部離断とリンパ節郭清の所要時間は症例を重ねるに従い有意に長くなった. また, 摘出リンパ節数は経験が増えるほど増加した. 断端陽...
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| Published in | Japanese Journal of Endourology and Robotics Vol. 35; no. 2; pp. 271 - 276 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
2022
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| Subjects | |
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| ISSN | 2436-875X |
| DOI | 10.11302/jserjje.35.2_271 |
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| Summary: | ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術 (RARP) のラーニングカーブについて検討した. 単一術者が施行した200例を対象とし, 時期により4群に分け, 周術期成績, 病理結果, 機能的予後を後方視的に比較検討した. 主要評価項目は手術時間の推移とし, 手術の各パートにおける所要時間の推移についても検討した. 4群間の患者背景に差はなかった. 手術時間は初期の50例と比較しそれ以降の症例では有意に短かった. 症例を重ねるに従い多くの手術工程で所要時間は短縮したが, 膀胱頚部離断とリンパ節郭清の所要時間は症例を重ねるに従い有意に長くなった. また, 摘出リンパ節数は経験が増えるほど増加した. 断端陽性率, 周術期合併症, 尿禁制, 勃起機能の回復については4群間で差は認めなかった. ロジスティック回帰分析を行ったところ, 手術時期は手術時間に影響を及ぼす有意な因子であった. |
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| ISSN: | 2436-875X |
| DOI: | 10.11302/jserjje.35.2_271 |