地方中核病院における気道異物症例の検討 とくに耳鼻咽喉科受診17例と三次救急搬送62例の検討

1995年1月から2006年10月までにいわき市立総合磐城共立病院耳鼻咽喉科を受診し, 気道異物が確認された17例と, 2000年1月から2006年10月までに同院三次救急に搬送され, 気道異物が確認された62例の計79例について検討した. 耳鼻咽喉科症例は年間平均1.4例であったのに対し, 三次救急に搬送例は年間平均8.9例で, 耳鼻咽喉科症例の6.4倍であった. 耳鼻咽喉科症例は, 男性8例, 女性9例 (男女比はほぼ1:1) で, 3歳以下が15例 (88%) であった. 異物はピーナッツが最多で9例, その他, 枝豆, ポップコーン, ねじ, 義歯などであり, 異物摘出後1例を除き,...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 112; no. 10; pp. 705 - 711
Main Authors 角田, 梨紗子, 中目, 亜矢子, 舘田, 勝, 長谷川, 純, 石田, 英一, 小林, 俊光, 小山, 敦, 嵯峨井, 俊, 片桐, 克則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2009
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.112.705

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Summary:1995年1月から2006年10月までにいわき市立総合磐城共立病院耳鼻咽喉科を受診し, 気道異物が確認された17例と, 2000年1月から2006年10月までに同院三次救急に搬送され, 気道異物が確認された62例の計79例について検討した. 耳鼻咽喉科症例は年間平均1.4例であったのに対し, 三次救急に搬送例は年間平均8.9例で, 耳鼻咽喉科症例の6.4倍であった. 耳鼻咽喉科症例は, 男性8例, 女性9例 (男女比はほぼ1:1) で, 3歳以下が15例 (88%) であった. 異物はピーナッツが最多で9例, その他, 枝豆, ポップコーン, ねじ, 義歯などであり, 異物摘出後1例を除き, 後遺症なく退院していた. 一方, 三次救急搬送例は, 男性43例, 女性19例 (男女比はほぼ2:1) で, 50歳代以上が70%近くを占めていた. 異物は食物, 特にもちが多かった. およそ60%は来院時心肺停止状態であり, 心肺蘇生を必要とし, 32例は数日以内に死亡していた. その他, 13例は転院, 9例は後遺症なく退院, 7例は入院なく帰宅していた. 異物の種類, 摘出方法, 転帰などにつき検討した.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.112.705