2回の切除を施行した腸管症型T細胞リンパ腫の1例
症例は65歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に当院内科を受診した.CTで小腸壁肥厚と口側腸管の拡張,多数の腸間膜リンパ節腫大を認め,小腸内視鏡検査で空腸に腫瘍性病変を認め生検を施行した.病理組織学的検査で異型リンパ球の増殖を認め,免疫染色でCD3(+),CD4(-),CD8(+),CD20(-),CD56(+).以上より,腸管症型T細胞リンパ腫(以下EATL)と診断されCHOP療法を8コース施行したが,腫瘍の残存を認めたためDeVIC療法を6コース施行した.評価の小腸内視鏡検査で腫瘍の残存と高度の腸管狭窄を認めたため,小腸部分切除術を施行した.術後3カ月後頃から恥骨上の痛みが出現し,精査の結果,S状結...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 7; pp. 1882 - 1886 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2014
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.75.1882 |
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Summary: | 症例は65歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に当院内科を受診した.CTで小腸壁肥厚と口側腸管の拡張,多数の腸間膜リンパ節腫大を認め,小腸内視鏡検査で空腸に腫瘍性病変を認め生検を施行した.病理組織学的検査で異型リンパ球の増殖を認め,免疫染色でCD3(+),CD4(-),CD8(+),CD20(-),CD56(+).以上より,腸管症型T細胞リンパ腫(以下EATL)と診断されCHOP療法を8コース施行したが,腫瘍の残存を認めたためDeVIC療法を6コース施行した.評価の小腸内視鏡検査で腫瘍の残存と高度の腸管狭窄を認めたため,小腸部分切除術を施行した.術後3カ月後頃から恥骨上の痛みが出現し,精査の結果,S状結腸リンパ腫再発の診断でHartmann手術を施行した.術後,SMILE療法を2コース施行したが,治療効果はNCであり,現在Gemcitabineベースの化学療法を施行中である.今回,われわれは悪性リンパ腫の中でもまれなEATLに対し2回の切除を施行した1例を経験したので,若干の文献的考察も含めて報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.75.1882 |