Kugel patchを用いて修復した再発会陰ヘルニアの1例

骨盤内臓手術や外傷後に発生する二次性会陰ヘルニアはまれな疾患であり,その発症には,創感染,糖尿病,長期のステロイド投与等の創傷治癒遷延因子や小腸間膜の長さが影響していると考えられている.今回,われわれは腹会陰式直腸切断術後に発生した会陰ヘルニアに対してデュアルフェイスメッシュを用いて修復術を行ったが,その15カ月後に再発し,Kugel Patchを用いて経会陰的に再度修復術を施行した症例を経験した.本症例は再発時に膀胱下垂を伴っており,骨盤臓器支持組織の脆弱性が関与している可能性が考えられた.本症例のようにメッシュを用いた修復後の再発は今までに報告がなく,再発の要因を検討するとともに文献的考察...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 7; pp. 2002 - 2007
Main Authors 岡本, 友好, 中島, 紳太郎, 矢永, 勝彦, 宇野, 能子, 諏訪, 勝仁, 小村, 伸朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.2002

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Summary:骨盤内臓手術や外傷後に発生する二次性会陰ヘルニアはまれな疾患であり,その発症には,創感染,糖尿病,長期のステロイド投与等の創傷治癒遷延因子や小腸間膜の長さが影響していると考えられている.今回,われわれは腹会陰式直腸切断術後に発生した会陰ヘルニアに対してデュアルフェイスメッシュを用いて修復術を行ったが,その15カ月後に再発し,Kugel Patchを用いて経会陰的に再度修復術を施行した症例を経験した.本症例は再発時に膀胱下垂を伴っており,骨盤臓器支持組織の脆弱性が関与している可能性が考えられた.本症例のようにメッシュを用いた修復後の再発は今までに報告がなく,再発の要因を検討するとともに文献的考察を加え報告した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.2002