術後再建腸管例の総胆管結石症に対する内視鏡治療の現状

背景:内視鏡機器・手技の進歩により術後再建腸管例の総胆管結石症に対する治療戦略は変化してきている.内視鏡治療の経時的な変化を明らかにすることを目的として検討を行った.対象と方法:当科で内視鏡治療を施行した術後再建腸管例の総胆管結石症を2008~2013年の前期群17例,2014~2019年の後期群26例に分類し,同期間中の正常解剖448例を正常解剖群として,3群間で治療成績を検証した.結果:後期群ではRoux-en-Y再建におけるダブルバルーン内視鏡(DBE)の使用率が増加しており,サルベージ治療が積極的に施行されていた.最終結石除去率は,前期群70.6%,後期群100%,正常解剖群98.7%...

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Published in胆道 Vol. 34; no. 5; pp. 809 - 820
Main Authors 粂, 潔, 松本, 諒太郎, 滝川, 哲也, 田中, 裕, 正宗, 淳, 三浦, 晋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.12.2020
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.34.809

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Summary:背景:内視鏡機器・手技の進歩により術後再建腸管例の総胆管結石症に対する治療戦略は変化してきている.内視鏡治療の経時的な変化を明らかにすることを目的として検討を行った.対象と方法:当科で内視鏡治療を施行した術後再建腸管例の総胆管結石症を2008~2013年の前期群17例,2014~2019年の後期群26例に分類し,同期間中の正常解剖448例を正常解剖群として,3群間で治療成績を検証した.結果:後期群ではRoux-en-Y再建におけるダブルバルーン内視鏡(DBE)の使用率が増加しており,サルベージ治療が積極的に施行されていた.最終結石除去率は,前期群70.6%,後期群100%,正常解剖群98.7%であり,後期群は前期群よりも結石除去率が高く,正常解剖例と同等の成績であった.結論:術後再建腸例の総胆管結石症であっても,DBEや適切なサルベージ法の併用により正常解剖例と同等の治療効果が期待できる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.34.809