感染性腸炎として治療されていた腸回転異常症を伴う虫垂炎の1例

感染性腸炎として治療されていた腸回転異常症を伴う虫垂炎の1例を報告する.症例は45歳男性.臍周囲の腹痛で2度の入院歴があり,今回も同様の腹痛で入院となった.腹部CT検査で上腸間膜動脈(SMA)と上腸間膜静脈(SMV)の位置が逆転しており,SMAの背側に十二指腸を認めず,腸回転異常症と診断した.また,骨盤内に腫大した虫垂を認め,急性虫垂炎と診断し,下腹部正中小切開で虫垂切除術を施行した.過去の腹部CT検査では腸回転異常症と診断されず,感染性腸炎と診断されて治療を受けた経緯がある.腹痛の診断を行う際には,腸回転異常も念頭に置く必要があると考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 5; pp. 1324 - 1329
Main Authors 廣吉, 淳子, 皆川, 正己, 和久井, 紀貴, 長瀬, 雅則, 竹田, 泰, 冨樫, 順一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.1324

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Summary:感染性腸炎として治療されていた腸回転異常症を伴う虫垂炎の1例を報告する.症例は45歳男性.臍周囲の腹痛で2度の入院歴があり,今回も同様の腹痛で入院となった.腹部CT検査で上腸間膜動脈(SMA)と上腸間膜静脈(SMV)の位置が逆転しており,SMAの背側に十二指腸を認めず,腸回転異常症と診断した.また,骨盤内に腫大した虫垂を認め,急性虫垂炎と診断し,下腹部正中小切開で虫垂切除術を施行した.過去の腹部CT検査では腸回転異常症と診断されず,感染性腸炎と診断されて治療を受けた経緯がある.腹痛の診断を行う際には,腸回転異常も念頭に置く必要があると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.1324