頭頸部がん手術の周術期管理

頭頸部癌の切除・遊離組織移植による再建術は手術時間も長く,比較的侵襲の大きな手術である。近年,周術期管理のバンドルであるERASプログラムが北欧から発信され,術後の回復を促進する試みが多くの分野で行われている。一方,頭頸部領域におけるERASの役割はいまだ未開拓である。われわれは2016年9月から,手術前のステロイドホルモン投与を含有するERASプログラムにより頭頸部癌切除・遊離組織移植術症例の周術期管理を行っている。パイロット研究ではERAS群において,感染性合併症が増加することなく,血行動態の安定化,炎症反応の軽減,免疫能の保持効果が得られ,われわれの頭頸部ERASプログラムの有用性が示唆...

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Published in頭頸部外科 Vol. 29; no. 1; pp. 21 - 26
Main Author 今井, 隆之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2019
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.29.21

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Summary:頭頸部癌の切除・遊離組織移植による再建術は手術時間も長く,比較的侵襲の大きな手術である。近年,周術期管理のバンドルであるERASプログラムが北欧から発信され,術後の回復を促進する試みが多くの分野で行われている。一方,頭頸部領域におけるERASの役割はいまだ未開拓である。われわれは2016年9月から,手術前のステロイドホルモン投与を含有するERASプログラムにより頭頸部癌切除・遊離組織移植術症例の周術期管理を行っている。パイロット研究ではERAS群において,感染性合併症が増加することなく,血行動態の安定化,炎症反応の軽減,免疫能の保持効果が得られ,われわれの頭頸部ERASプログラムの有用性が示唆された。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.29.21