広範囲腹部大動脈閉塞性疾患に対するステントグラフトを用いたハイブリッド手術の経験

広範囲腹部大動脈閉塞性疾患に対する治療は,しばしば難渋することがあり,われわれはステントグラフト (SG) を用いたハイブリッド手術 (HBO) を3例 (平均69歳) 施行した.Rutherford分類I-1群1例,2群1例,3群1例,TASC II分類D型2例,D+A型1例で患側肢ABIは平均0.52であった.全例全身麻酔下に血管造影装置を完備した手術室で行い,腎動脈下片側腸骨動脈病変にはaorto-uni-iliac法でSGを使用し,外腸骨-大腿動脈交叉バイパスを施行した.バイパス中枢側吻合は外腸骨動脈とし,遠隔期再狭窄に対するカテーテル治療のためSG側大腿動脈には手術操作を加えなかった...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 48; no. 6; pp. 411 - 414
Main Authors 菅野, 恵, 緑川, 博文, 植野, 恭平, 影山, 理恵, 滝浪, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.11.2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.48.411

Cover

More Information
Summary:広範囲腹部大動脈閉塞性疾患に対する治療は,しばしば難渋することがあり,われわれはステントグラフト (SG) を用いたハイブリッド手術 (HBO) を3例 (平均69歳) 施行した.Rutherford分類I-1群1例,2群1例,3群1例,TASC II分類D型2例,D+A型1例で患側肢ABIは平均0.52であった.全例全身麻酔下に血管造影装置を完備した手術室で行い,腎動脈下片側腸骨動脈病変にはaorto-uni-iliac法でSGを使用し,外腸骨-大腿動脈交叉バイパスを施行した.バイパス中枢側吻合は外腸骨動脈とし,遠隔期再狭窄に対するカテーテル治療のためSG側大腿動脈には手術操作を加えなかった.2例で腸骨動脈病変にbare stentを追加留置した.全例再建が成功し,手術時間は平均123分,合併症なく術後平均11日で退院し,現在まで開存は良好である.われわれはSGを用いたHBOを施行し,良好な結果を得たので報告する.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.48.411