腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術後に発症した会陰ヘルニアの1例
症例は90歳,男性.下部直腸癌に対して腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術を施行した.最終病期はpT2,N0,H0,P0,M0のfstage IIであった.合併症なく経過し,術後18日目に退院した.外来で経過観察中,術後半年が経過した頃より会陰部の膨隆を自覚された.長時間の歩行によって不快感を伴う疼痛が出現したため,骨盤MRIを施行した.骨盤底部から会陰皮下に脱出する小腸を認め,続発性会陰ヘルニアと診断し,経会陰アプローチでComposix meshを用いた修復術を施行した.現在術後6カ月経過しているが,再発は認めていない.続発性会陰ヘルニアは稀な疾患であり,本邦では会議録を除くと23例の報告がされてい...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 9; pp. 2294 - 2298 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2016
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.77.2294 |
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Summary: | 症例は90歳,男性.下部直腸癌に対して腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術を施行した.最終病期はpT2,N0,H0,P0,M0のfstage IIであった.合併症なく経過し,術後18日目に退院した.外来で経過観察中,術後半年が経過した頃より会陰部の膨隆を自覚された.長時間の歩行によって不快感を伴う疼痛が出現したため,骨盤MRIを施行した.骨盤底部から会陰皮下に脱出する小腸を認め,続発性会陰ヘルニアと診断し,経会陰アプローチでComposix meshを用いた修復術を施行した.現在術後6カ月経過しているが,再発は認めていない.続発性会陰ヘルニアは稀な疾患であり,本邦では会議録を除くと23例の報告がされている.自験例も含め臨床的特徴について報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.77.2294 |