術後短期間で再発したものの救命しえたNon-occlusive mesenteric ischemiaの1例

Non-occlusive mesenteric ischemia(以下,NOMI)は救命率20%と低く予後不良の疾患である。症例は68歳男性,食後の突然の腹痛で当院へ救急搬送された。来院時施行した腹部造影CT検査で門脈内ガス像を認め,急性腸管壊死を疑い緊急手術を行った。手術所見では回腸末端から上行結腸にかけて非連続性の腸管壊死がありNOMIと診断した。右半結腸切除術を行い術後経過は良好であったが,術後19日目にNOMIを再発し,緊急再手術となった。手術所見は残存腸管の非連続性の腸管壊死を広範囲に認め,小腸大量切除,結腸部分切除,空腸瘻造設術を施行した。約3ヵ月後に空腸結腸再吻合術,胃瘻造設術...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 33; no. 8; pp. 1355 - 1358
Main Authors 星野, 誠一郎, 山下, 裕一, 武野, 慎祐, 乗富, 智明, 山本, 希治, 川元, 俊二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2013
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.33.1355

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Summary:Non-occlusive mesenteric ischemia(以下,NOMI)は救命率20%と低く予後不良の疾患である。症例は68歳男性,食後の突然の腹痛で当院へ救急搬送された。来院時施行した腹部造影CT検査で門脈内ガス像を認め,急性腸管壊死を疑い緊急手術を行った。手術所見では回腸末端から上行結腸にかけて非連続性の腸管壊死がありNOMIと診断した。右半結腸切除術を行い術後経過は良好であったが,術後19日目にNOMIを再発し,緊急再手術となった。手術所見は残存腸管の非連続性の腸管壊死を広範囲に認め,小腸大量切除,結腸部分切除,空腸瘻造設術を施行した。約3ヵ月後に空腸結腸再吻合術,胃瘻造設術を施行,術後短腸症候群に関して全身管理を行った。2度のNOMIの手術を行い短腸症候群となったが術後栄養管理を行い救命しえた症例である。現在術後5年,経過良好である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.33.1355