腎細胞癌胆嚢転移の1例

今回われわれは腎細胞癌術後胆嚢転移をきたした症例を経験したので報告する.症例は76歳,男性.6年前右腎癌に対して右腎摘術を受けた.その後,腎癌の皮膚転移に対して切除術を受けている.腹部超音波による経過観察中に1年半で約2倍に増大した胆嚢腫瘍を認めた.腹部造影CTでは著明な造影効果を認めており,原発性胆嚢癌の可能性も考慮し,開腹胆嚢摘出術を施行した.胆嚢腫瘍は長径10mm大で,槳膜面に腫瘍の露出は認めなかった.組織学的には明細胞癌で原発巣,皮膚転移巣と同様であり,腎細胞癌の胆嚢転移と診断された.転移性胆嚢癌はまれであり,文献的考察を加えて報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 4; pp. 1024 - 1028
Main Authors 谷口, 健太郎, 林, 香介, 大森, 隆夫, 小倉, 正臣, 勝田, 浩司, 下村, 誠, 小倉, 嘉文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.1024

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Summary:今回われわれは腎細胞癌術後胆嚢転移をきたした症例を経験したので報告する.症例は76歳,男性.6年前右腎癌に対して右腎摘術を受けた.その後,腎癌の皮膚転移に対して切除術を受けている.腹部超音波による経過観察中に1年半で約2倍に増大した胆嚢腫瘍を認めた.腹部造影CTでは著明な造影効果を認めており,原発性胆嚢癌の可能性も考慮し,開腹胆嚢摘出術を施行した.胆嚢腫瘍は長径10mm大で,槳膜面に腫瘍の露出は認めなかった.組織学的には明細胞癌で原発巣,皮膚転移巣と同様であり,腎細胞癌の胆嚢転移と診断された.転移性胆嚢癌はまれであり,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.1024