胸腔鏡下に切除したS状結腸癌術後横隔膜再発の1例

症例は75歳の女性.2008年8月,S状結腸癌・横行結腸浸潤に対し左半結腸切除術(D3)を施行した.術後2年5カ月の定期検査でCEA 18.9と高値を示したため,全身精査を施行した.右下肺に約10mm程度の結節影を認めたため肺再発と診断し,2011年3月に胸腔鏡下肺部分切除予定とした.胸腔鏡で観察したところ,右横隔膜上に腫瘍血管を伴う約10mm大の腫瘤があり肺実質に異常を認めなかったため,右横隔膜再発と診断し,右横隔膜部分切除術を施行した.結腸・直腸癌の横隔膜転移・再発報告例は稀であり,われわれが検索したかぎりでは自験例も併せて7例であった....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 5; pp. 1080 - 1084
Main Authors 上田, 吉宏, 大野, 玲, 小林, 建太, 榎本, 直記, 本山, 一夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.1080

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Summary:症例は75歳の女性.2008年8月,S状結腸癌・横行結腸浸潤に対し左半結腸切除術(D3)を施行した.術後2年5カ月の定期検査でCEA 18.9と高値を示したため,全身精査を施行した.右下肺に約10mm程度の結節影を認めたため肺再発と診断し,2011年3月に胸腔鏡下肺部分切除予定とした.胸腔鏡で観察したところ,右横隔膜上に腫瘍血管を伴う約10mm大の腫瘤があり肺実質に異常を認めなかったため,右横隔膜再発と診断し,右横隔膜部分切除術を施行した.結腸・直腸癌の横隔膜転移・再発報告例は稀であり,われわれが検索したかぎりでは自験例も併せて7例であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.1080