二次・三次治療でオラパリブの著効をみたHER2陰性再発乳癌の2例
オラパリブは2018年に本邦で承認されたが,適格症例が多くはないため,その症例報告はいまだ少ない.当院で著効している2例について報告する.症例①:44歳,女性.右乳癌 T2N2aM0 stage IIIA,luminal typeで,術後2年で肺転移にて再発した.ホルモン療法,経口抗癌剤を施行後,BRCA2変異を認め,三次治療としてオラパリブを投与し,8カ月間PRを維持している.症例②:69歳,女性.両側乳癌術後で,左はT2N0M0 stage II A,luminal typeであった(右詳細不明).術後13年4カ月で腹部傍大動脈リンパ節(生検でtriple negative type),右...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 8; pp. 1497 - 1501 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2020
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.81.1497 |
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Summary: | オラパリブは2018年に本邦で承認されたが,適格症例が多くはないため,その症例報告はいまだ少ない.当院で著効している2例について報告する.症例①:44歳,女性.右乳癌 T2N2aM0 stage IIIA,luminal typeで,術後2年で肺転移にて再発した.ホルモン療法,経口抗癌剤を施行後,BRCA2変異を認め,三次治療としてオラパリブを投与し,8カ月間PRを維持している.症例②:69歳,女性.両側乳癌術後で,左はT2N0M0 stage II A,luminal typeであった(右詳細不明).術後13年4カ月で腹部傍大動脈リンパ節(生検でtriple negative type),右卵巣,腹膜転移にて再発した.経口抗癌剤を施行後BRCA1変異を認め,二次治療としてオラパリブを投与し,4カ月間PRを維持している.本症例2例ともOlympiAD試験と同様にearly lineでオラパリブを投与し,良好な腫瘍縮小効果を示している. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.81.1497 |