涙囊癌の2例
涙囊原発悪性腫瘍は比較的稀であり,流涙や涙囊部腫脹といった慢性涙囊炎症状で初発することが多いとされる。病理組織型は扁平上皮癌,腺癌,腺様囊胞癌や悪性リンパ腫と多彩である。涙囊原発癌を2症例(腺癌と扁平上皮癌)経験したので報告する。2例とも涙囊炎症状で初発した。眼窩内容摘出を含む外科的切除を行い,腺癌症例は術後2年で局所再発を来たし,化学放射線治療後現在非担癌生存中である。扁平上皮癌症例は術後病理で断端陽性であり,術後化学放射線治療を行い非担癌生存中である。治療に際しては切除を基本とし,組織型や進展範囲に応じた集学的なアプローチを考慮する必要がある。...
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| Published in | 頭頸部外科 Vol. 31; no. 1; pp. 91 - 96 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2021
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| Subjects | |
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| ISSN | 1349-581X 1884-474X |
| DOI | 10.5106/jjshns.31.91 |
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| Summary: | 涙囊原発悪性腫瘍は比較的稀であり,流涙や涙囊部腫脹といった慢性涙囊炎症状で初発することが多いとされる。病理組織型は扁平上皮癌,腺癌,腺様囊胞癌や悪性リンパ腫と多彩である。涙囊原発癌を2症例(腺癌と扁平上皮癌)経験したので報告する。2例とも涙囊炎症状で初発した。眼窩内容摘出を含む外科的切除を行い,腺癌症例は術後2年で局所再発を来たし,化学放射線治療後現在非担癌生存中である。扁平上皮癌症例は術後病理で断端陽性であり,術後化学放射線治療を行い非担癌生存中である。治療に際しては切除を基本とし,組織型や進展範囲に応じた集学的なアプローチを考慮する必要がある。 |
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| ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
| DOI: | 10.5106/jjshns.31.91 |