B型肝炎感染対策の実際 ワクチン低反応者・無反応者への対応

「緒言」B型肝炎ウイルス(Hepatitis B Virus:HBV)は感染力が非常に強く, その感染率はC型肝炎ウイルス(Hepatitis C Virus:HCV)の約10倍で1), 万が一HBVに感染するとそのうちの2%が劇症肝炎を発症するといわれている. また発症しない場合でも慢性肝炎, 肝硬変, 肝がんのリスクを負うことになり2), 血液に接触する危険性の高い業務に従事している医療従事者にとっては深刻な問題である. その一方でHBVは, HCV, ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus:HIV)等, 他の血液由来ウイルスとは異なり, ワクチン接...

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Published in医療薬学 Vol. 37; no. 10; pp. 567 - 571
Main Authors 米谷, 智樹, 森元, 慶三, 山本, 勇樹, 北村, 諭思, 古川, 壮彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2011
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.37.567

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Summary:「緒言」B型肝炎ウイルス(Hepatitis B Virus:HBV)は感染力が非常に強く, その感染率はC型肝炎ウイルス(Hepatitis C Virus:HCV)の約10倍で1), 万が一HBVに感染するとそのうちの2%が劇症肝炎を発症するといわれている. また発症しない場合でも慢性肝炎, 肝硬変, 肝がんのリスクを負うことになり2), 血液に接触する危険性の高い業務に従事している医療従事者にとっては深刻な問題である. その一方でHBVは, HCV, ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus:HIV)等, 他の血液由来ウイルスとは異なり, ワクチン接種によりあらかじめ HBs抗体を獲得しておくことで感染を予防できる. しかしこのワクチンを通常の方法で接種してもHBs抗体をほとんど, または全く産生しない例が存在することが知られており, その頻度は5~10%程であるといわれている3).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.37.567