肺動脈内に伸展したintravenous leiomyomatosisの1例
症例は45歳,女性.腹部膨満,労作時呼吸困難を主訴に来院した.胸腹部造影CT検査で,腹水,子宮腫大と左卵巣静脈から下大静脈を介して右心系に伸展し,主肺動脈に達する陰影欠損が認められた.心エコー検査では右心房から右心室を通過し,収縮期に主肺動脈に嵌入する腫瘤陰影が発見された.手術は体外循環を用い経右心房的に行った.肺動脈から右心房まで腫瘤を摘出した後,循環停止下に下大静脈内の腫瘤を摘除したが,癒着のため部分摘除となった.併存した三尖弁閉鎖不全を修復し,手術を終了した.摘出標本は静脈内平滑筋腫と診断された.術後経過は順調であり,3カ月後に産婦人科で子宮摘出術,両側付属器切除術を行った.術後3年4カ...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 7; pp. 1802 - 1806 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.74.1802 |
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Summary: | 症例は45歳,女性.腹部膨満,労作時呼吸困難を主訴に来院した.胸腹部造影CT検査で,腹水,子宮腫大と左卵巣静脈から下大静脈を介して右心系に伸展し,主肺動脈に達する陰影欠損が認められた.心エコー検査では右心房から右心室を通過し,収縮期に主肺動脈に嵌入する腫瘤陰影が発見された.手術は体外循環を用い経右心房的に行った.肺動脈から右心房まで腫瘤を摘出した後,循環停止下に下大静脈内の腫瘤を摘除したが,癒着のため部分摘除となった.併存した三尖弁閉鎖不全を修復し,手術を終了した.摘出標本は静脈内平滑筋腫と診断された.術後経過は順調であり,3カ月後に産婦人科で子宮摘出術,両側付属器切除術を行った.術後3年4カ月経過しても再発の兆候は認められない. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.74.1802 |