経仙骨的に切除した骨化を伴った骨盤内神経鞘腫の1例
症例は42歳,男性.肛門部痛を主訴とした骨盤内腫瘍にて当科へ紹介となった.直腸診では,肛門縁から5cmを下縁とする左後壁主体の壁外性腫瘤を触知した.骨盤造影CT検査では,仙骨前面やや左側に最大径5.5cmの境界明瞭,内部不均一で一部石灰化を伴う腫瘍を認めた.骨盤MRI検査で腫瘍は,T1で信号低下,T2で多彩な信号像を呈した.奇形腫または神経原性腫瘍が疑われたが悪性腫瘍も否定できず,経仙骨的腫瘍摘出術を施行した.切除された腫瘍は,58×48×41mm大で,多発する嚢胞性変化と,凝血塊を認めた.病理組織学的には,骨化を伴う良性神経鞘腫と診断された.骨盤内発生の神経鞘腫は頻度が低く,なかでも骨化を伴...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 9; pp. 2617 - 2621 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2014
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.75.2617 |
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| Summary: | 症例は42歳,男性.肛門部痛を主訴とした骨盤内腫瘍にて当科へ紹介となった.直腸診では,肛門縁から5cmを下縁とする左後壁主体の壁外性腫瘤を触知した.骨盤造影CT検査では,仙骨前面やや左側に最大径5.5cmの境界明瞭,内部不均一で一部石灰化を伴う腫瘍を認めた.骨盤MRI検査で腫瘍は,T1で信号低下,T2で多彩な信号像を呈した.奇形腫または神経原性腫瘍が疑われたが悪性腫瘍も否定できず,経仙骨的腫瘍摘出術を施行した.切除された腫瘍は,58×48×41mm大で,多発する嚢胞性変化と,凝血塊を認めた.病理組織学的には,骨化を伴う良性神経鞘腫と診断された.骨盤内発生の神経鞘腫は頻度が低く,なかでも骨化を伴う神経鞘腫は極めて稀とされる. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.75.2617 |