Reduced port surgeryを行った外傷性腹壁ヘルニアの1例

症例は51歳,男性.交通事故で当院へ救急搬送された.多発骨折,脾損傷,右側腹部腹壁ヘルニアを認めた.腹壁ヘルニアに関しては,嵌頓所見を認めなかったため,待機的に手術を行うこととした.手術は,1カ月間の入院加療を行い,3カ月間のリハビリを行った後に施行した.手術法は,腹腔鏡下にて腹腔内よりヘルニア門を同定するtransabdominal preperitoneal(TAPP)法で行い,腹壁ヘルニアを修復した.第5病日に施行したCT検査では,ヘルニアを認めず,第12病日に経過良好にて退院となった.外傷性腹壁ヘルニアに対する腹腔鏡手術の報告例は少なく,Reduced port surgeryによる治...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 8; pp. 2065 - 2071
Main Authors 多幾山, 渉, 漆原, 貴, 大森, 一郎, 山本, 将輝, 吉満, 政義, 向田, 秀則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.76.2065

Cover

More Information
Summary:症例は51歳,男性.交通事故で当院へ救急搬送された.多発骨折,脾損傷,右側腹部腹壁ヘルニアを認めた.腹壁ヘルニアに関しては,嵌頓所見を認めなかったため,待機的に手術を行うこととした.手術は,1カ月間の入院加療を行い,3カ月間のリハビリを行った後に施行した.手術法は,腹腔鏡下にて腹腔内よりヘルニア門を同定するtransabdominal preperitoneal(TAPP)法で行い,腹壁ヘルニアを修復した.第5病日に施行したCT検査では,ヘルニアを認めず,第12病日に経過良好にて退院となった.外傷性腹壁ヘルニアに対する腹腔鏡手術の報告例は少なく,Reduced port surgeryによる治療しえた報告は本邦初である.今回,われわれは外傷性腹壁ヘルニアに対してReduced port surgeryとしての腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術が有用であった1例を経験したので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.2065