空腸gangliocytic paragangliomaの1例
症例は51歳の女性.黒色便を主訴に来院.造影CT検査ではTreitz靱帯やや肛門側の上部空腸内に造影増強効果を示す3cm大の腫瘤を認めた.上部消化管内視鏡検査ではTreitz靱帯の約10cm肛門側に粘膜下腫瘍を認め,超音波内視鏡検査では第3層に等~低輝度の腫瘍として認めたが,生検では腫瘍細胞を採取できなかった.PET-CT検査では同腫瘤に異常集積を認めたが,近傍リンパ節や遠隔臓器に異常を認めなかった.小腸粘膜下腫瘍の診断にて用手補助腹腔鏡下腫瘍切除術を行い,病理組織学的にgangliocytic paragangliomaと診断された.術後1年3カ月,再発を認めていない.Gangliocyti...
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          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 8; pp. 1814 - 1820 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        2017
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| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.78.1814 | 
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| Summary: | 症例は51歳の女性.黒色便を主訴に来院.造影CT検査ではTreitz靱帯やや肛門側の上部空腸内に造影増強効果を示す3cm大の腫瘤を認めた.上部消化管内視鏡検査ではTreitz靱帯の約10cm肛門側に粘膜下腫瘍を認め,超音波内視鏡検査では第3層に等~低輝度の腫瘍として認めたが,生検では腫瘍細胞を採取できなかった.PET-CT検査では同腫瘤に異常集積を認めたが,近傍リンパ節や遠隔臓器に異常を認めなかった.小腸粘膜下腫瘍の診断にて用手補助腹腔鏡下腫瘍切除術を行い,病理組織学的にgangliocytic paragangliomaと診断された.術後1年3カ月,再発を認めていない.Gangliocytic paragangliomaは大部分が十二指腸に発生する非常に稀な腫瘍であり,多くは良性と考えられている.空腸発生は極めて稀で,国際的には過去4例報告されているのみであり,自験例は本邦初の報告であった. | 
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.78.1814 |