化膿性脊椎炎と診断されて手術に至った30症例の検討
「I はじめに」 化膿性脊椎炎(pyogenic spondylitis: PS)は, 腰背部痛や頸部痛を主訴とし発熱を伴うことが多い疾患であるが, 典型的な兆候に乏しく診断に苦慮することも多い. 診断後の速やかな脊椎専門医・感染症専門医(以下, 専門医)へのコンサルトが推奨されており, 診断の遅れは神経学的予後を悪化させる. JA尾道総合病院で手術介入となったPSを対象に, 手術に至るまでの経過を後方視的に調査し, 特に診断の遅れにつながった要因について検討した. 本研究は当院倫理委員会の承認を得ている(OJH-202178). 「II 対象と方法」 当院で2011年7月~2021年6月に手...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 32; no. 6; pp. 139 - 141 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
25.06.2025
日本ペインクリニック学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1340-4903 1884-1791 |
DOI | 10.11321/jjspc.24-0044 |
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Summary: | 「I はじめに」 化膿性脊椎炎(pyogenic spondylitis: PS)は, 腰背部痛や頸部痛を主訴とし発熱を伴うことが多い疾患であるが, 典型的な兆候に乏しく診断に苦慮することも多い. 診断後の速やかな脊椎専門医・感染症専門医(以下, 専門医)へのコンサルトが推奨されており, 診断の遅れは神経学的予後を悪化させる. JA尾道総合病院で手術介入となったPSを対象に, 手術に至るまでの経過を後方視的に調査し, 特に診断の遅れにつながった要因について検討した. 本研究は当院倫理委員会の承認を得ている(OJH-202178). 「II 対象と方法」 当院で2011年7月~2021年6月に手術介入を必要としたPS 30症例を対象とし, (1)年齢・性別, (2)診断時の疼痛・発熱(37.0℃以上)の有無, (3)診断法, (4)疼痛出現から診断までの期間, (5)PS病変部に一致した疼痛以外に神経学的異常が出現して初めてmagnetic resonance imaging (MRI)を施行した症例, (6)診断から専門医診察までの期間, (7)専門医診察から手術までの期間, (8)転帰を調査した. |
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ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
DOI: | 10.11321/jjspc.24-0044 |