術後15年目に下行結腸浸潤再発をきたした子宮体癌の1例

子宮体癌の大腸転移はまれであり,初回手術から転移が発見されるまでの期間も数年以内が大半である.今回われわれは術後15年目に下行結腸浸潤を伴って発症した子宮体癌再発の症例を経験したので報告する. 症例は50歳台の女性,15年前に子宮内膜癌のため子宮全摘術が施行され,術後は骨盤と大動脈周囲に放射線照射が施行された.術後15年目に左側腹部痛を主訴に近医を受診し,下行結腸近傍に径約8cmの腫瘤が認められた. 手術目的に当科へ紹介となり,結腸左半切除術が施行された.病変は下行結腸の壁外に主座を有し,組織学的にも子宮内膜癌の像を呈しており,子宮内膜癌大腸転移の診断がなされた. 極めてまれではあるが,子宮体...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 6; pp. 1707 - 1711
Main Authors 諸橋, 一, 袴田, 健一, 島田, 拓, 渡邉, 伸和, 平井, 秀明, 村田, 暁彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.1707

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Summary:子宮体癌の大腸転移はまれであり,初回手術から転移が発見されるまでの期間も数年以内が大半である.今回われわれは術後15年目に下行結腸浸潤を伴って発症した子宮体癌再発の症例を経験したので報告する. 症例は50歳台の女性,15年前に子宮内膜癌のため子宮全摘術が施行され,術後は骨盤と大動脈周囲に放射線照射が施行された.術後15年目に左側腹部痛を主訴に近医を受診し,下行結腸近傍に径約8cmの腫瘤が認められた. 手術目的に当科へ紹介となり,結腸左半切除術が施行された.病変は下行結腸の壁外に主座を有し,組織学的にも子宮内膜癌の像を呈しており,子宮内膜癌大腸転移の診断がなされた. 極めてまれではあるが,子宮体癌の術後症例では起こりうる病態として注意が必要であり,今後は長期予後を含めた更なる症例の蓄積が必要と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.1707