左室大動脈トンネル術後の気管狭窄に対する後方大動脈縫縮法の1例
症例は9カ月男児,胎児診断で左室大動脈トンネルを指摘され,出生後約2時間で緊急左室大動脈トンネルパッチ閉鎖術を施行した.患児は大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症も合併しており,術後上行大動脈拡大の進行による気管の圧排,および呼吸器症状の遷延を認めたため,上行大動脈の後方縫縮術を施行した.術後気道圧排所見は消失し呼吸器症状が改善された.気道と隣接する大動脈後面を縮小する後方大動脈縫縮は,吊り上げ術,前方縫縮術,スライド術などに比してより直接的,かつ長期的な圧排回避効果が期待しうる....
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 49; no. 4; pp. 192 - 195 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.07.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.49.192 |
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Summary: | 症例は9カ月男児,胎児診断で左室大動脈トンネルを指摘され,出生後約2時間で緊急左室大動脈トンネルパッチ閉鎖術を施行した.患児は大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症も合併しており,術後上行大動脈拡大の進行による気管の圧排,および呼吸器症状の遷延を認めたため,上行大動脈の後方縫縮術を施行した.術後気道圧排所見は消失し呼吸器症状が改善された.気道と隣接する大動脈後面を縮小する後方大動脈縫縮は,吊り上げ術,前方縫縮術,スライド術などに比してより直接的,かつ長期的な圧排回避効果が期待しうる. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.49.192 |