緊急手術を要した成人臍ヘルニア嵌頓4例の検討

成人臍ヘルニアは高度肥満や肝硬変などの基礎疾患を有することが多いため,嵌頓例は重症化することがある。今回われわれは,臍ヘルニア嵌頓で緊急手術を施行した4例を経験したので報告する。症例は男性3例,女性1例で,年齢は54から92歳(中央値63.5歳)であり,BMIが20.3から27.4kg/m2(中央値24.1)であった。3例に肝硬変の既往を認めた。手術は全例,全身麻酔下で行った。術式は単純閉鎖が2例,メッシュによる修復が2例であった。腸管切除を行った症例は1例であった。術後,呼吸不全のため人工呼吸管理を要した症例を2例認めた。入院日数は8日から37日(中央値13日)で,死亡例,再発例は認めていな...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 39; no. 7; pp. 1199 - 1203
Main Authors 小原, 有一朗, 桂, 彦太郎, 口分田, 亘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2019
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.39.1199

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Summary:成人臍ヘルニアは高度肥満や肝硬変などの基礎疾患を有することが多いため,嵌頓例は重症化することがある。今回われわれは,臍ヘルニア嵌頓で緊急手術を施行した4例を経験したので報告する。症例は男性3例,女性1例で,年齢は54から92歳(中央値63.5歳)であり,BMIが20.3から27.4kg/m2(中央値24.1)であった。3例に肝硬変の既往を認めた。手術は全例,全身麻酔下で行った。術式は単純閉鎖が2例,メッシュによる修復が2例であった。腸管切除を行った症例は1例であった。術後,呼吸不全のため人工呼吸管理を要した症例を2例認めた。入院日数は8日から37日(中央値13日)で,死亡例,再発例は認めていない。基礎疾患を有する症例が多く,術前の全身状態が良好であっても,術後に人工呼吸管理を要する症例がみられた。全身麻酔リスクが高い症例では,局所麻酔下での手術も検討する必要があると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.39.1199