胃癌肝転移に対する手術適応の検討

目的:胃癌の肝転移は局所療法の対象となることは少なく,明確な肝切除適応基準も定まっていない.当科において施行された胃癌肝転移切除症例を集積し検討を加え,予後規定因子を検討し,患者選択基準を考察した.方法:1990年1月より2006年12月までに当科にて胃癌肝転移に対して肝切除が施行された12例を対象とした.予後規定因子として年齢,性別,原発巣の深達度,リンパ節転移度,分化度,転移巣の転移時期,転移個数を検討した.結果:胃癌肝転移切除全症例の累積5年生存率は27.8%で,2例の10年以上の長期無再発生存例が得られた.予後規定因子で有意差が認められたのは転移巣個数(3個以上,3個未満)のみであった...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 1; pp. 18 - 22
Main Authors 佐藤, 創, 梶原, 伸介, 飯森, 俊介, 三好, 麻衣子, 岡田, 憲三, 山本, 幸司, 清地, 秀典, 岩川, 和秀, 天田, 美智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.18

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Summary:目的:胃癌の肝転移は局所療法の対象となることは少なく,明確な肝切除適応基準も定まっていない.当科において施行された胃癌肝転移切除症例を集積し検討を加え,予後規定因子を検討し,患者選択基準を考察した.方法:1990年1月より2006年12月までに当科にて胃癌肝転移に対して肝切除が施行された12例を対象とした.予後規定因子として年齢,性別,原発巣の深達度,リンパ節転移度,分化度,転移巣の転移時期,転移個数を検討した.結果:胃癌肝転移切除全症例の累積5年生存率は27.8%で,2例の10年以上の長期無再発生存例が得られた.予後規定因子で有意差が認められたのは転移巣個数(3個以上,3個未満)のみであった.結論:胃癌肝転移は切除対象となる症例は少ないが,症例を選択すれば良好な成績,長期生存が得られる場合がある.転移個数が少ない症例は良い適応であり,症例によっては肝切除を考慮すべきと思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.18