新生児 Ebstein 奇形に対する一期的両心室修復として cone 手術を行った1例

新生児Ebstein奇形に対する一期的両心室修復としてのcone手術の報告はほとんどない.症例は日齢14の女児,胎児エコーで重症Ebstein奇形と診断され帝王切開で出生した.プロスタグランジンが開始され当院に搬送となった.CTRは74%,三尖弁逆流はsevere,肺動脈弁は機能的閉鎖であった.プロスタグランジンを離脱しても動脈管は縮小せず,むしろ肺血管抵抗低下に伴い心不全が悪化したため新生児期での手術介入となった.三尖弁は前尖も高度にplasteringしており,弁の形態的にはCarpentier type Cに相当するものであった.しかしcone手術により三尖弁逆流は制御され,右心機能は改...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 45; no. 6; pp. 262 - 266
Main Authors 新井, 洋輔, 浅井, 英嗣, 橘, 剛, 夷岡, 徳彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2016
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.45.262

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Summary:新生児Ebstein奇形に対する一期的両心室修復としてのcone手術の報告はほとんどない.症例は日齢14の女児,胎児エコーで重症Ebstein奇形と診断され帝王切開で出生した.プロスタグランジンが開始され当院に搬送となった.CTRは74%,三尖弁逆流はsevere,肺動脈弁は機能的閉鎖であった.プロスタグランジンを離脱しても動脈管は縮小せず,むしろ肺血管抵抗低下に伴い心不全が悪化したため新生児期での手術介入となった.三尖弁は前尖も高度にplasteringしており,弁の形態的にはCarpentier type Cに相当するものであった.しかしcone手術により三尖弁逆流は制御され,右心機能は改善し,肺血流は右室の順行性拍出のみで維持できた.術後6日目に抜管し,術後8日目に集中治療室を退室した.CTRは58%と縮小し,三尖弁逆流はmoderate以下であった.右室機能は良好であり,心房間交通は右左シャントではあるがSpO2 は90%以上であった.Cone手術は三尖弁前尖が低形成で,両心室修復の可否がborder lineであるような新生児Ebstein奇形に対しても有効であった.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.45.262