気管切開術を要した深頸部膿瘍症例の検討

深頸部膿瘍は耳鼻咽喉科領域の中でも重篤な感染症である。重症化すると気道狭窄をきたし,状態によっては気管切開術による気道確保が必要となる。しかしながら,気管切開術は様々な弊害をきたすためできれば避けたい手術である。今回われわれは2006年4月から2014年3月までに当院で頸部外切開による排膿術が行われた深頸部膿瘍の27例を対象として,気管切開術が必要となる指標についての検討を行った。その結果,喉頭浮腫のある症例およびCRPが20mg/dl以上の症例では有意に気管切開術を要し,一方膿瘍が舌骨上に留まる症例では,気管切開術をせずに済む症例が多いと思われた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 26; no. 1; pp. 13 - 17
Main Authors 友田, 幸一, 宇都宮, 敏生, 藤澤, 琢郎, 岩井, 大, 宮本, 真, 八木, 正夫, 阪上, 智史, 鈴木, 健介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2016
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.26.13

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Summary:深頸部膿瘍は耳鼻咽喉科領域の中でも重篤な感染症である。重症化すると気道狭窄をきたし,状態によっては気管切開術による気道確保が必要となる。しかしながら,気管切開術は様々な弊害をきたすためできれば避けたい手術である。今回われわれは2006年4月から2014年3月までに当院で頸部外切開による排膿術が行われた深頸部膿瘍の27例を対象として,気管切開術が必要となる指標についての検討を行った。その結果,喉頭浮腫のある症例およびCRPが20mg/dl以上の症例では有意に気管切開術を要し,一方膿瘍が舌骨上に留まる症例では,気管切開術をせずに済む症例が多いと思われた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.26.13