小腸GISTと神経内分泌腫瘍を併発した神経線維腫症1型の2例

症例1:神経線維腫症1型(以下NF1)の42歳,女性.下血の精査で小腸内視鏡検査を行ったところ,小腸に粘膜下腫瘤とそのすぐ肛門側に隆起性病変を認めた.出血源と判断し,小腸部分切除術を施行し,小腸腸間膜に結節を認めたため摘出した.小腸腫瘍の病理診断はそれぞれGISTと神経内分泌腫瘍(以下NET)で,腸間膜結節もGISTであった. 症例2:NF1の73歳,女性.高血圧の精査でCT検査を行ったところ小腸に腫瘤を認め,カプセル内視鏡で十二指腸に1つ,小腸に3つの腫瘤を認めた.腹腔鏡補助下に小腸部分切除術を施行した.なお,十二指腸腫瘤は全身状態が不良のため切除しなかった.病理診断は小腸腫瘍のうち2つはG...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 5; pp. 1122 - 1128
Main Authors 河口, 賀彦, 藤井, 秀樹, 赤池, 英憲, 平山, 和義, 土屋, 雅人, 加藤, 良平, 高橋, 和徳, 望月, 邦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2016
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.77.1122

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Summary:症例1:神経線維腫症1型(以下NF1)の42歳,女性.下血の精査で小腸内視鏡検査を行ったところ,小腸に粘膜下腫瘤とそのすぐ肛門側に隆起性病変を認めた.出血源と判断し,小腸部分切除術を施行し,小腸腸間膜に結節を認めたため摘出した.小腸腫瘍の病理診断はそれぞれGISTと神経内分泌腫瘍(以下NET)で,腸間膜結節もGISTであった. 症例2:NF1の73歳,女性.高血圧の精査でCT検査を行ったところ小腸に腫瘤を認め,カプセル内視鏡で十二指腸に1つ,小腸に3つの腫瘤を認めた.腹腔鏡補助下に小腸部分切除術を施行した.なお,十二指腸腫瘤は全身状態が不良のため切除しなかった.病理診断は小腸腫瘍のうち2つはGIST,1つはNETであった. NF1に小腸GISTと小腸NETを併存することは非常に稀であり,文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.77.1122