縦隔ヘルニアに合併した気胸の1例

症例は17歳, 男性. 既往歴に2~6歳, 肺炎にて4, 5回入院. 平成17年10月, 呼吸困難があり, 前医を受診. 胸部レントゲン写真にて左気胸と診断し, 胸腔ドレナージを施行した. 気漏が止まらず, 当院へ転院. 胸部CT検査では右肺は萎縮し, 右上葉に大きな嚢胞があった. 心陰影は右方へ偏位していた. 左肺は胸腔ドレナージされていたが充分に広がりきれなかった. また, 左肺は過膨脹し, 上前縦隔を越えて反対側に脱出していた. 胸腔造影では左上肺野に持続的に空気が漏れる部位を同定した. 以上から縦隔ヘルニアに合併した左気胸と診断した. 手術では, 左S6に気漏を伴うブラがあり, 胸腔鏡...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 44 - 48
Main Authors 今野, 修, 大石, 明雄, 添田, 暢俊, 山田, 文彦, 樋口, 光徳, 芳賀, 甚市
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.44

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Summary:症例は17歳, 男性. 既往歴に2~6歳, 肺炎にて4, 5回入院. 平成17年10月, 呼吸困難があり, 前医を受診. 胸部レントゲン写真にて左気胸と診断し, 胸腔ドレナージを施行した. 気漏が止まらず, 当院へ転院. 胸部CT検査では右肺は萎縮し, 右上葉に大きな嚢胞があった. 心陰影は右方へ偏位していた. 左肺は胸腔ドレナージされていたが充分に広がりきれなかった. また, 左肺は過膨脹し, 上前縦隔を越えて反対側に脱出していた. 胸腔造影では左上肺野に持続的に空気が漏れる部位を同定した. 以上から縦隔ヘルニアに合併した左気胸と診断した. 手術では, 左S6に気漏を伴うブラがあり, 胸腔鏡補助下にブラ縫縮術を施行した. 術後9日目, 経過良好にて退院した. 術後呼吸機能検査にて混合性換気障害があった. 現在, 術後9カ月が経過し, 気胸の再発はなく, 縦隔ヘルニアに関して経過観察中である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.44