術後孤立性副腎転移をきたした胃癌の1例
症例は71歳,女性.2年前に胃癌に対して幽門側胃切除術を施行し,進行度はT3(SS)N2M0 Stage IIIBであった.術後補助療法としてTS-1を6カ月内服していた. 術後25カ月のCTで左副腎の腫大を認め,胃癌の転移が疑われた.TS-1内服を再開したが術後29カ月のCTで左の副腎腫瘍は増大していた.全身精査目的でPET施行したところ,異常集積は左副腎のみであった.根治術が可能であると判断し左副腎摘出術を施行した.病理組織診断は胃癌の転移と矛盾しない所見であった.術後補助療法は行わず,術後10カ月再発は認めていない. 胃癌の副腎転移の切除例は少なく貴重であるため,文献的考察を加えて報告す...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 8; pp. 2149 - 2152 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2013
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.74.2149 |
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Summary: | 症例は71歳,女性.2年前に胃癌に対して幽門側胃切除術を施行し,進行度はT3(SS)N2M0 Stage IIIBであった.術後補助療法としてTS-1を6カ月内服していた. 術後25カ月のCTで左副腎の腫大を認め,胃癌の転移が疑われた.TS-1内服を再開したが術後29カ月のCTで左の副腎腫瘍は増大していた.全身精査目的でPET施行したところ,異常集積は左副腎のみであった.根治術が可能であると判断し左副腎摘出術を施行した.病理組織診断は胃癌の転移と矛盾しない所見であった.術後補助療法は行わず,術後10カ月再発は認めていない. 胃癌の副腎転移の切除例は少なく貴重であるため,文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.74.2149 |