男性乳腺葉状腫瘍の1例

乳腺葉状腫瘍は女性乳腺腫瘍の0.3~0.5%と比較的稀な疾患であるが,とりわけ男性については極めて稀であり,医学中央雑誌およびPUBMEDで検索する限り本邦でまだ報告例はなく,世界でも11例の報告を認めるのみである.今回われわれは,男性乳房に発症した巨大腫瘍に対して摘出手術を施行し,病理検査にて,葉状腫瘍の診断を得た1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は28歳,男性.増大する左乳房の腫瘤を主訴に当院紹介受診.家族歴,既往歴に特記事項.造影MRI検査では,左乳房に8cm大の境界明瞭で辺縁分葉状の腫瘍を認め,内部はほぼ均一に漸増する造影パターンを示した.針生検で悪性所見は認め...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 1; pp. 31 - 35
Main Authors 伊藤, 充矢, 高田, 晋一, 松浦, 博夫, 杭瀬, 崇, 大谷, 彰一郎, 桧垣, 健二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2010
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.71.31

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Summary:乳腺葉状腫瘍は女性乳腺腫瘍の0.3~0.5%と比較的稀な疾患であるが,とりわけ男性については極めて稀であり,医学中央雑誌およびPUBMEDで検索する限り本邦でまだ報告例はなく,世界でも11例の報告を認めるのみである.今回われわれは,男性乳房に発症した巨大腫瘍に対して摘出手術を施行し,病理検査にて,葉状腫瘍の診断を得た1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は28歳,男性.増大する左乳房の腫瘤を主訴に当院紹介受診.家族歴,既往歴に特記事項.造影MRI検査では,左乳房に8cm大の境界明瞭で辺縁分葉状の腫瘍を認め,内部はほぼ均一に漸増する造影パターンを示した.針生検で悪性所見は認めなかったが確定診断には至らず,本人の希望もあり診断・加療目的にて摘出手術を施行した.摘出標本の病理組織検査から,極めて稀な男性乳腺葉状腫瘍と診断した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.71.31