当院における小児外傷性肝損傷の臨床的検討
要旨:【はじめに】当院における小児外傷性肝損傷(以下,本症)を臨床的に検討したので報告する。【対象・方法】過去15年間で,外傷のため当院ERに搬入された15歳以下の本症に対し年齢・重症度・治療方法・予後などにつき検討した。【結果】対象は39例(男児28例,女児11例,平均年齢7.90歳(2歳~13歳)であった。重症度は被膜下損傷30例(Ia型12例,Ib型18例),表在性損傷(II)2例,深在性損傷7例(IIIa型2例,IIIb型5例)であった。経カテーテル的動脈塞栓術(以下,TAE)施行例は9例(血管外漏出5例,仮性動脈瘤3例,動静脈瘻1例)で,全例止血可能であり保存的治療を行った。保存的治...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 33; no. 7; pp. 1089 - 1092 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2013
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.33.1089 |
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Summary: | 要旨:【はじめに】当院における小児外傷性肝損傷(以下,本症)を臨床的に検討したので報告する。【対象・方法】過去15年間で,外傷のため当院ERに搬入された15歳以下の本症に対し年齢・重症度・治療方法・予後などにつき検討した。【結果】対象は39例(男児28例,女児11例,平均年齢7.90歳(2歳~13歳)であった。重症度は被膜下損傷30例(Ia型12例,Ib型18例),表在性損傷(II)2例,深在性損傷7例(IIIa型2例,IIIb型5例)であった。経カテーテル的動脈塞栓術(以下,TAE)施行例は9例(血管外漏出5例,仮性動脈瘤3例,動静脈瘻1例)で,全例止血可能であり保存的治療を行った。保存的治療中に腹腔内遅発性出血を1例認めたが肝損傷が原因による手術症例や死亡例はなかった。【結語】本症に対して肝動脈損傷の場合にTAEより安定した管理を行うことが可能であった。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.33.1089 |