上大静脈症候群により発見された心臓原発血管肉腫の1手術例
症例は31歳,女性.胸痛,呼吸苦を主訴に来院,右房内腫瘍を認め,循環器内科入院となった.入院後,心タンポナーデとなり,心嚢ドレナージを施行された.上大静脈の高度狭窄および三尖弁への腫瘍の嵌頓が危惧され,組織診断未定のまま準緊急的に右房亜全摘および上大静脈切除,Xenomedica patchによる右房再建,人工血管による上大静脈再建を行った.病理所見は血管肉腫であった.心臓原発血管肉腫は稀な腫瘍であり,生存期間4~9カ月と予後不良であるが,本症例では手術を行うことでいったん退院でき,術後約5カ月間の生存期間を得ることができたので報告する....
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| Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 42; no. 5; pp. 395 - 398 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
2013
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| Subjects | |
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| ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
| DOI | 10.4326/jjcvs.42.395 |
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| Summary: | 症例は31歳,女性.胸痛,呼吸苦を主訴に来院,右房内腫瘍を認め,循環器内科入院となった.入院後,心タンポナーデとなり,心嚢ドレナージを施行された.上大静脈の高度狭窄および三尖弁への腫瘍の嵌頓が危惧され,組織診断未定のまま準緊急的に右房亜全摘および上大静脈切除,Xenomedica patchによる右房再建,人工血管による上大静脈再建を行った.病理所見は血管肉腫であった.心臓原発血管肉腫は稀な腫瘍であり,生存期間4~9カ月と予後不良であるが,本症例では手術を行うことでいったん退院でき,術後約5カ月間の生存期間を得ることができたので報告する. |
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| ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
| DOI: | 10.4326/jjcvs.42.395 |