シェーグレン症候群に伴う口腔乾燥症治療における塩酸ピロカルピンの臨床効果

シェーグレン症候群(SS)に伴う口腔乾燥症状に対する塩酸ピロカルピンの効果を臨床的に検討した。SSと診断された37症例(男性:女性=1:36,平均年齢57.7歳)に対して,塩酸ピロカルピン15mg/日を12週間投与し,唾液分泌増加量,自他覚症状,visual analogue scale(VAS)にて評価,検討した。その結果,投与開始4週の比較的早期から全ての項目で改善を認め,その後も一定の効果が認められた。12例(32.4%)で副作用による内服の継続が困難な症例があり,多汗,頻尿,鼻汁などの発現が投与開始初期よりみられたが中止により改善した。塩酸ピロカルピンのSSに伴う口腔乾燥症状に対して,...

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Published in日本口腔粘膜学会雑誌 Vol. 15; no. 1; pp. 1 - 8
Main Authors 正木, 絵里, 加藤, 伸, 中川, 種昭, 新里, 知佳, 角田, 和之, 永井, 哲夫, 高森, 康次, 角田, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 2009
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ISSN1341-7983
1884-1473
DOI10.6014/jjomm.15.1

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Summary:シェーグレン症候群(SS)に伴う口腔乾燥症状に対する塩酸ピロカルピンの効果を臨床的に検討した。SSと診断された37症例(男性:女性=1:36,平均年齢57.7歳)に対して,塩酸ピロカルピン15mg/日を12週間投与し,唾液分泌増加量,自他覚症状,visual analogue scale(VAS)にて評価,検討した。その結果,投与開始4週の比較的早期から全ての項目で改善を認め,その後も一定の効果が認められた。12例(32.4%)で副作用による内服の継続が困難な症例があり,多汗,頻尿,鼻汁などの発現が投与開始初期よりみられたが中止により改善した。塩酸ピロカルピンのSSに伴う口腔乾燥症状に対して,本剤は一定の改善効果を認めた。投与の際には副作用にも十分に注意しながら経過を観察することが肝要であると考えられた。
ISSN:1341-7983
1884-1473
DOI:10.6014/jjomm.15.1