C型慢性肝炎に対するasunaprevir/daclatasvir併用療法著効後に発症した肝細胞癌の1例

症例は75歳男性.61歳時,遺伝子型1b高ウイルス量C型慢性肝炎の診断でIFNα-2b+ribavirin(RBV)併用療法を,69歳時,Peg-IFNα-2b+RBV併用療法を受けるも無効であった.患者宿主因子の検索で,インターフェロン(IFN)λ3(IFNL3)がTT, IFNλ4(IFNL4)がTT/Δ Gと乖離を示した.70歳時,asunaprevirとdaclatasvir併用の臨床試験に参加し,24週間の治療で著効が得られた.75歳時,肝S8に9 mmの肝細胞癌を認め,経皮的ラジオ波焼灼療法が行われた.IFN後の著効例では,特に,男性,高齢者や肝線維化進展例で肝発癌のリスクが高いこ...

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Published in肝臓 Vol. 56; no. 7; pp. 348 - 355
Main Authors 荒川, 智宏, 小関, 至, 岩口, 佳史, 豊田, 成司, 中島, 知明, 狩野, 吉康, 髭, 修平, 木村, 睦海, 山口, 将功, 桑田, 靖昭, 後藤田, 裕子, 佐藤, 隆啓, 大村, 卓味
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2015
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.56.348

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Summary:症例は75歳男性.61歳時,遺伝子型1b高ウイルス量C型慢性肝炎の診断でIFNα-2b+ribavirin(RBV)併用療法を,69歳時,Peg-IFNα-2b+RBV併用療法を受けるも無効であった.患者宿主因子の検索で,インターフェロン(IFN)λ3(IFNL3)がTT, IFNλ4(IFNL4)がTT/Δ Gと乖離を示した.70歳時,asunaprevirとdaclatasvir併用の臨床試験に参加し,24週間の治療で著効が得られた.75歳時,肝S8に9 mmの肝細胞癌を認め,経皮的ラジオ波焼灼療法が行われた.IFN後の著効例では,特に,男性,高齢者や肝線維化進展例で肝発癌のリスクが高いことが知られており,著効後も長期に渡る経過観察が必要とされている.IFN-freeの治療では,高齢者や肝硬変例においても高率に著効が得られるため,著効後の肝発癌について特に注意を要すると考えられ報告する.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.56.348