腹腔鏡下結腸切除術後のポートサイト再発が疑われた炎症性偽腫瘍の1例

症例は89歳,女性.左下腹部痛を自覚し,当院を受診した.CTで左下腹部腹壁にϕ50×40mm大,境界不明瞭で不均一に濃染する腫瘤を認めた.6年前に上行結腸癌(Stage I)に対して腹腔鏡下結腸右半切除術を施行されていたことから,ポートサイト再発を疑い,腫瘤摘出術を施行した.病理組織学所見では核異型を伴わない紡錘形の非上皮性細胞の非腫瘍性の増生を認め,高度の炎症細胞浸潤を伴っていた.免疫染色ではサイトケラチン,c-kit,S-100,ALK陰性であり,炎症性偽腫瘍と診断した.術後1年経過し,再発は認めていない....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 9; pp. 1698 - 1701
Main Authors 成田, 潔, 西川, 隆太郎, 登内, 仁, 小西, 尚巳, 杉澤, 文, 野口, 智史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.80.1698

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Summary:症例は89歳,女性.左下腹部痛を自覚し,当院を受診した.CTで左下腹部腹壁にϕ50×40mm大,境界不明瞭で不均一に濃染する腫瘤を認めた.6年前に上行結腸癌(Stage I)に対して腹腔鏡下結腸右半切除術を施行されていたことから,ポートサイト再発を疑い,腫瘤摘出術を施行した.病理組織学所見では核異型を伴わない紡錘形の非上皮性細胞の非腫瘍性の増生を認め,高度の炎症細胞浸潤を伴っていた.免疫染色ではサイトケラチン,c-kit,S-100,ALK陰性であり,炎症性偽腫瘍と診断した.術後1年経過し,再発は認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.1698