TAPP法にて修復した鼠径部膀胱ヘルニアの1例
症例は67歳,男性.20年前に両側鼠径ヘルニアにて手術を行った既往がある.両側鼠径部の膨隆と頻尿が出現し,近医より紹介受診となった.腹部CT検査では両側鼠径部に軟部陰影腫瘤を認め,右側のヘルニア内容は膀胱の一部であることが判明した.膀胱ヘルニアを伴った両側再発鼠径ヘルニアの診断にてTAPP(transabdominal prepreritoneal repair)法による根治手術を施行した.術後の経過は良好であり,翌日退院となった.膀胱ヘルニアの診断にはCT検査が有用と考えられ,術中膀胱損傷を防ぐためには特に術前診断が重要と思われた.今回われわれは,TAPP法にて修復しえた鼠径部膀胱ヘルニアの...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 8; pp. 2077 - 2080 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2015
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.76.2077 |
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Summary: | 症例は67歳,男性.20年前に両側鼠径ヘルニアにて手術を行った既往がある.両側鼠径部の膨隆と頻尿が出現し,近医より紹介受診となった.腹部CT検査では両側鼠径部に軟部陰影腫瘤を認め,右側のヘルニア内容は膀胱の一部であることが判明した.膀胱ヘルニアを伴った両側再発鼠径ヘルニアの診断にてTAPP(transabdominal prepreritoneal repair)法による根治手術を施行した.術後の経過は良好であり,翌日退院となった.膀胱ヘルニアの診断にはCT検査が有用と考えられ,術中膀胱損傷を防ぐためには特に術前診断が重要と思われた.今回われわれは,TAPP法にて修復しえた鼠径部膀胱ヘルニアの1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.76.2077 |