腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した卵巣癌術後孤立性脾転移の1例

患者は,74歳,女性.1997年6月に卵巣癌の診断で手術施行(漿液性腺癌,pT3b N1M0 Stage IIIc).2007年には左乳癌(Stage I),2009年には右乳癌(Stage I)の診断で乳房部分切除術を施行.2010年4月のCT検査にて脾臓に5mm大の腫瘍を認めフォローされていたが,2012年3月のCT検査では28mmに増大した.FDG-PET検査では脾臓に集積を認めるが他部位には集積なく,孤立性脾転移の疑いで腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した.病理診断は漿液性腺癌で卵巣癌の脾臓転移と診断した.術後補助療法は行わず経過観察中で,術後7カ月の現在,無再発生存中である.孤立性脾転移は稀...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 6; pp. 1700 - 1703
Main Authors 吉村, 紀子, 中野, 亮介, 福田, 敏勝, 中原, 雅浩, 住谷, 大輔, 高橋, 元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.1700

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Summary:患者は,74歳,女性.1997年6月に卵巣癌の診断で手術施行(漿液性腺癌,pT3b N1M0 Stage IIIc).2007年には左乳癌(Stage I),2009年には右乳癌(Stage I)の診断で乳房部分切除術を施行.2010年4月のCT検査にて脾臓に5mm大の腫瘍を認めフォローされていたが,2012年3月のCT検査では28mmに増大した.FDG-PET検査では脾臓に集積を認めるが他部位には集積なく,孤立性脾転移の疑いで腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した.病理診断は漿液性腺癌で卵巣癌の脾臓転移と診断した.術後補助療法は行わず経過観察中で,術後7カ月の現在,無再発生存中である.孤立性脾転移は稀であり,術前には確定診断が困難で,診断と治療を目的とした手術を選択することも多い.そのような症例では低侵襲な腹腔鏡下脾臓摘出術が有用であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.1700