腹腔鏡下修復術を施行した食道裂孔ヘルニアとMorgagni孔ヘルニア併存の1例

症例は86歳,女性.3年半前に健診で胸部異常影を指摘され受診し,食道裂孔ヘルニアとMorgagni孔ヘルニアの併存と診断されたが,無症状かつMorgagni孔ヘルニアの脱出内容物は大網であり経過観察となった.今回,労作時呼吸困難を主訴に再診し,ヘルニア門と脱出内容物の増大を認め手術を施行した.手術は腹腔鏡下で,まず食道裂孔ヘルニア,次いでMorgagni孔ヘルニアの順に行った.食道裂孔ヘルニアは滑脱型,ヘルニア門は長径5cmであり,食道裂孔は縫縮した後にメッシュで補強した.次いでNissen法に準じて噴門形成をした.Morgagni孔ヘルニアのヘルニア門は長径4cm,内容は結腸であり,ヘルニア...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 6; pp. 1338 - 1342
Main Authors 大端, 考, 高木, 正和, 大場, 範行, 渡邉, 昌也, 佐藤, 真輔, 廣津, 周
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.76.1338

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Summary:症例は86歳,女性.3年半前に健診で胸部異常影を指摘され受診し,食道裂孔ヘルニアとMorgagni孔ヘルニアの併存と診断されたが,無症状かつMorgagni孔ヘルニアの脱出内容物は大網であり経過観察となった.今回,労作時呼吸困難を主訴に再診し,ヘルニア門と脱出内容物の増大を認め手術を施行した.手術は腹腔鏡下で,まず食道裂孔ヘルニア,次いでMorgagni孔ヘルニアの順に行った.食道裂孔ヘルニアは滑脱型,ヘルニア門は長径5cmであり,食道裂孔は縫縮した後にメッシュで補強した.次いでNissen法に準じて噴門形成をした.Morgagni孔ヘルニアのヘルニア門は長径4cm,内容は結腸であり,ヘルニア門はメッシュを用いて修復した.術後経過は良好であった.食道裂孔ヘルニアとMorgagni孔ヘルニアの併存例に対する腹腔鏡下の修復術は安全に施行できる術式であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.1338