TEVAR後のステントグラフト感染に対して胸腔鏡下洗浄ドレナージ術により治癒した2例

胸部大動脈瘤に対するステントグラフト治療(TEVAR:Thoracic endovascular aortic repair)後のステントグラフト感染を起こした全身状態不良なハイリスク症例に対して胸腔鏡下洗浄ドレナージ術を行い良好な結果が得られた2例を経験したので報告する.【症例】2症例ともTEVAR術後にステントグラフト感染を発症した.ステントグラフト全抜去および再置換術が検討されたが,全身状態不良であり,ハイリスクと判断され,胸腔鏡下に残存大動脈瘤開放および洗浄ドレナージ術を行った.いずれの症例も感染の再燃を認めていない.今後,全身状態の改善時にステントグラフト全抜去および人工血管再置換術...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 36; no. 1; pp. 16 - 22
Main Authors 島村, 和男, 舟木, 壮一郎, 宮下, 裕大, 松本, 遼太, 倉谷, 徹, 新谷, 康
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.01.2022
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.36.16

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Summary:胸部大動脈瘤に対するステントグラフト治療(TEVAR:Thoracic endovascular aortic repair)後のステントグラフト感染を起こした全身状態不良なハイリスク症例に対して胸腔鏡下洗浄ドレナージ術を行い良好な結果が得られた2例を経験したので報告する.【症例】2症例ともTEVAR術後にステントグラフト感染を発症した.ステントグラフト全抜去および再置換術が検討されたが,全身状態不良であり,ハイリスクと判断され,胸腔鏡下に残存大動脈瘤開放および洗浄ドレナージ術を行った.いずれの症例も感染の再燃を認めていない.今後,全身状態の改善時にステントグラフト全抜去および人工血管再置換術を予定している.【結語】ステントグラフト感染に対する胸腔鏡下洗浄ドレナージ術が有効であった症例を経験した.大動脈壁と肺との癒着剥離や,有効なドレーン留置に胸腔鏡アプローチは有効であった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.36.16