妊娠中に急速進行した甲状腺濾胞癌遠隔転移例

今回,われわれは妊娠中に急速進行した甲状腺濾胞癌遠隔転移例を経験したので報告する。症例は46歳女性。甲状腺濾胞癌遠隔転移に対し,放射性ヨウ素治療中であった。病状進行の可能性があったが,挙児希望があり,不妊治療を経て妊娠に至った。無事,健康な女児を出産したが,妊娠中,原病は急速に進行し,ADLは低下した。適切に治療されている進行分化型甲状腺癌であれば,妊娠は禁忌とはならないが,妊娠に伴うホルモン変化の影響で急速に進行する可能性があることを認識しておく必要があると考えられた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 31; no. 2; pp. 209 - 214
Main Authors 野内, 舞, 岩村, 均, 木田, 渉, 中屋, 宗雄, 稲吉, 康比呂, 松本, 尚之, 北條, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2021
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.31.209

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Summary:今回,われわれは妊娠中に急速進行した甲状腺濾胞癌遠隔転移例を経験したので報告する。症例は46歳女性。甲状腺濾胞癌遠隔転移に対し,放射性ヨウ素治療中であった。病状進行の可能性があったが,挙児希望があり,不妊治療を経て妊娠に至った。無事,健康な女児を出産したが,妊娠中,原病は急速に進行し,ADLは低下した。適切に治療されている進行分化型甲状腺癌であれば,妊娠は禁忌とはならないが,妊娠に伴うホルモン変化の影響で急速に進行する可能性があることを認識しておく必要があると考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.31.209