診断に苦慮した成人期発見のCommunicating Bronchopulmonary Foregut Malformationの一例

Communicating Bronchopulmonary Foregut Malformation(CBPFM)は,食道または胃と気道に先天的な交通が存在することと定義される稀な先天性異常である.このたび成人期に発症し,診断に苦慮したCBPFMの一例を経験したため報告する.症例は30歳代男性.数年前より出現すると約30分治まらない咳嗽や喀痰を自覚していた.胸部CTで気管分岐部下の食道左側に沿った軟部陰影を指摘され当院紹介となった.PETでも異常集積は認められなかったが,悪性腫瘍の否定もできないため手術を行った.胸腔鏡では,正常肺とは独立した無気肺状の構造物を認めた.根部を剥離すると食道を起...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 1; pp. 74 - 78
Main Authors 三村, 剛史, 鍵本, 篤志, 倉岡, 和矢, 石田, 聖幸, 松浦, 範明, 仲川, 知樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸器外科学会 15.01.2024
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.38.74

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Summary:Communicating Bronchopulmonary Foregut Malformation(CBPFM)は,食道または胃と気道に先天的な交通が存在することと定義される稀な先天性異常である.このたび成人期に発症し,診断に苦慮したCBPFMの一例を経験したため報告する.症例は30歳代男性.数年前より出現すると約30分治まらない咳嗽や喀痰を自覚していた.胸部CTで気管分岐部下の食道左側に沿った軟部陰影を指摘され当院紹介となった.PETでも異常集積は認められなかったが,悪性腫瘍の否定もできないため手術を行った.胸腔鏡では,正常肺とは独立した無気肺状の構造物を認めた.根部を剥離すると食道を起始とした気管支様の構造物が確認できた.自動縫合器で切離し摘出,病理組織学的検査で気管支・肺胞構造を確認し,食道と交通したCBPFM,Srikanth分類のGroup IIIと診断した.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.38.74