外傷性側頭骨茎状突起骨折を伴う顔面神経麻痺症例

側頭骨茎状突起単独骨折に顔面神経麻痺を伴ったまれな症例を経験したので報告する。 症例は23歳男性。鉄の棒の上に転倒し右側頸部を受傷した。顔面神経麻痺が出現したため,当院を紹介され受診した。麻痺は柳原法で24/40点,アブミ骨筋反射は消失していた。入院後にステロイド療法を開始したが麻痺は18/40点に進行した。CTにて茎状突起の単独骨折が疑われたため,受傷6日目に骨片除去を行った。術中所見では,茎状突起の骨折片により顔面神経本幹は圧排・牽引されており,骨片を除去し顔面神経を減圧した。術後にアブミ骨筋反射は改善した。顔面神経麻痺は一次的に増悪した後改善傾向だったが,不全麻痺が残存した。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 28; no. 2; pp. 203 - 207
Main Authors 鈴木, 久美子, 倉富, 勇一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2018
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.28.203

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Summary:側頭骨茎状突起単独骨折に顔面神経麻痺を伴ったまれな症例を経験したので報告する。 症例は23歳男性。鉄の棒の上に転倒し右側頸部を受傷した。顔面神経麻痺が出現したため,当院を紹介され受診した。麻痺は柳原法で24/40点,アブミ骨筋反射は消失していた。入院後にステロイド療法を開始したが麻痺は18/40点に進行した。CTにて茎状突起の単独骨折が疑われたため,受傷6日目に骨片除去を行った。術中所見では,茎状突起の骨折片により顔面神経本幹は圧排・牽引されており,骨片を除去し顔面神経を減圧した。術後にアブミ骨筋反射は改善した。顔面神経麻痺は一次的に増悪した後改善傾向だったが,不全麻痺が残存した。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.28.203