鼻副鼻腔悪性腫瘍に対する鼻内内視鏡下腫瘍切除術の検討

近年では鼻副鼻腔悪性腫瘍に対しても鼻内内視鏡手術の適応が拡大されてきているが,悪性度の高い組織型の病変に対しては放射線治療や化学療法が治療の中心となることが多く,本邦における報告はほとんどない。 当科で経験した鼻副鼻腔悪性腫瘍15例に対する根治を目指した鼻内内視鏡下腫瘍切除術について検討した。1例を除いて局所制御できており,十分な安全域をつけて腫瘍を切除できれば短期的には鼻外切開手術と遜色ない治療成績であった。術中および術後に重篤な合併症を認めた症例もなく,鼻外切開手術と比較して低侵襲で入院期間が短縮できた。手術適応を十分に検討した上で今後も症例を重ねて長期成績についても引き続き検討したい。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 28; no. 2; pp. 127 - 135
Main Authors 蝦原, 康宏, 井上, 準, 中平, 光彦, 南, 和彦, 小柏, 靖直, 菅澤, 正, 久場, 潔実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.28.127

Cover

More Information
Summary:近年では鼻副鼻腔悪性腫瘍に対しても鼻内内視鏡手術の適応が拡大されてきているが,悪性度の高い組織型の病変に対しては放射線治療や化学療法が治療の中心となることが多く,本邦における報告はほとんどない。 当科で経験した鼻副鼻腔悪性腫瘍15例に対する根治を目指した鼻内内視鏡下腫瘍切除術について検討した。1例を除いて局所制御できており,十分な安全域をつけて腫瘍を切除できれば短期的には鼻外切開手術と遜色ない治療成績であった。術中および術後に重篤な合併症を認めた症例もなく,鼻外切開手術と比較して低侵襲で入院期間が短縮できた。手術適応を十分に検討した上で今後も症例を重ねて長期成績についても引き続き検討したい。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.28.127