腹腔鏡下に切除した上行結腸MALTリンパ腫の1例

症例は77歳,女性.近医下部消化管内視鏡検査にて,上行結腸に腫瘤を認め,精査のため当院受診となった.精査にて,上行結腸に4cm大の粘膜下腫瘤を認め,生検では,MALTリンパ腫疑いであったため,PET-CTを行い遠隔転移がないことを確認した.診断的治療として腹腔鏡下結腸右半切除を施行した.病理組織学所見は,形質細胞分化を伴った小型から中型の異型なリンパ細胞と核内封入体を認め,免疫染色は,CD79a陽性で,CD3,CD5,CD10,cyclinD1はいずれも陰性であり,Lugano分類II-1期の上行結腸MALTリンパ腫と診断した.追加治療としてHelicobacter pylori除菌療法を行い...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 5; pp. 925 - 930
Main Authors 畑地, 健一郎, 玉置, 秀司, 桂川, 秀雄, 林, 隆広, 石井, 雅之, 金田, 祥明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2020
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.81.925

Cover

More Information
Summary:症例は77歳,女性.近医下部消化管内視鏡検査にて,上行結腸に腫瘤を認め,精査のため当院受診となった.精査にて,上行結腸に4cm大の粘膜下腫瘤を認め,生検では,MALTリンパ腫疑いであったため,PET-CTを行い遠隔転移がないことを確認した.診断的治療として腹腔鏡下結腸右半切除を施行した.病理組織学所見は,形質細胞分化を伴った小型から中型の異型なリンパ細胞と核内封入体を認め,免疫染色は,CD79a陽性で,CD3,CD5,CD10,cyclinD1はいずれも陰性であり,Lugano分類II-1期の上行結腸MALTリンパ腫と診断した.追加治療としてHelicobacter pylori除菌療法を行い,術後3年再発所見は認めていない.大腸MALTリンパ腫に対する腹腔鏡下手術は,根治的かつ低侵襲な治療法と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.81.925