腹腔鏡下手術を行った完全内臓逆位症を伴う下行結腸癌の1例

症例は78歳,男性.平成23年10月,検診で便潜血陽性のため近医にて下部内視鏡検査を施行したところ,S状結腸付近に全周性の2型腫瘍を認め,当科へ紹介となった.CTでは完全内臓逆位であり,SDjunctionに相当する右下腹部に結腸壁の全周性肥厚を認めた.下行結腸癌の診断で,腹腔鏡補助下に結腸切除術を施行した.術前の3D-CT所見から,腫瘍のmain feederや,血管の分岐形態・解剖学的位置を把握できていたため,合併症なく手術を完遂しえた.完全内臓逆位症に対する腹腔鏡下手術は,左右鏡面像となる解剖学的位置を十分に把握していれば,特殊な技術を必要とすることなく安全に施行できる術式と考える....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 1; pp. 117 - 120
Main Authors 塚越, 浩志, 岩松, 清人, 堤, 裕史, 橋本, 直樹, 須納瀬, 豊, 竹吉, 泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.117

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Summary:症例は78歳,男性.平成23年10月,検診で便潜血陽性のため近医にて下部内視鏡検査を施行したところ,S状結腸付近に全周性の2型腫瘍を認め,当科へ紹介となった.CTでは完全内臓逆位であり,SDjunctionに相当する右下腹部に結腸壁の全周性肥厚を認めた.下行結腸癌の診断で,腹腔鏡補助下に結腸切除術を施行した.術前の3D-CT所見から,腫瘍のmain feederや,血管の分岐形態・解剖学的位置を把握できていたため,合併症なく手術を完遂しえた.完全内臓逆位症に対する腹腔鏡下手術は,左右鏡面像となる解剖学的位置を十分に把握していれば,特殊な技術を必要とすることなく安全に施行できる術式と考える.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.117