絞扼性イレウスと診断したS状結腸間膜裂孔ヘルニアの1例

症例は,開腹手術歴のない81歳女性で,突然の腹痛が出現し当院に入院となった。腹部CTでS状結腸間膜の外側に嵌頓した小腸ループ像を認めた。内ヘルニアによる絞扼性イレウスを疑い同日緊急手術を施行した。開腹所見では,S状結腸間膜の直径約2cmの異常裂孔が存在し,小腸が約150cm陥入し絞扼されていた。自験例では術前診断が困難であったが,CTの見返しにより小腸の左方移動という特徴的所見を認めた。S状結腸間膜に関連した内ヘルニアの1亜型であるS状結腸間膜裂孔ヘルニアは,まれであり文献的考察を加え報告した。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 32; no. 3; pp. 715 - 718
Main Authors 有我, 隆光, 尾崎, 正彦, 大島, 郁也, 篠藤, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2012
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.32.715

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Summary:症例は,開腹手術歴のない81歳女性で,突然の腹痛が出現し当院に入院となった。腹部CTでS状結腸間膜の外側に嵌頓した小腸ループ像を認めた。内ヘルニアによる絞扼性イレウスを疑い同日緊急手術を施行した。開腹所見では,S状結腸間膜の直径約2cmの異常裂孔が存在し,小腸が約150cm陥入し絞扼されていた。自験例では術前診断が困難であったが,CTの見返しにより小腸の左方移動という特徴的所見を認めた。S状結腸間膜に関連した内ヘルニアの1亜型であるS状結腸間膜裂孔ヘルニアは,まれであり文献的考察を加え報告した。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.32.715