パクリタキセル・カルボプラチン併用療法とワルファリンとの薬物相互作用に関する調査 抗凝固効果への影響
「緒言」ワルファリン(以下, WFと略す)は, 心筋梗塞症, 肺塞栓症, 脳塞栓症等の血栓塞栓症の治療および予防に用いるほか, 術後の深部静脈血栓症の治療および予防にも用いられる. しかしながら, WFはバルビツール酸系の薬剤や, フィブラート系薬剤, スルホニル尿素系糖尿病用剤等, 多くの薬剤との相互作用が知られている. WFとの薬物相互作用は抗がん剤においても5-FU系の薬剤等との相互作用が報告されている1, 2). 一方, パクリタキセル・カルボプラチン併用療法(以下, TC療法と略す)は卵巣がん, 非小細胞肺がん等に広く使用されており, がん化学療法における主要レジメンの1つとなってい...
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Published in | 医療薬学 Vol. 37; no. 8; pp. 443 - 448 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2011
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.37.443 |
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Summary: | 「緒言」ワルファリン(以下, WFと略す)は, 心筋梗塞症, 肺塞栓症, 脳塞栓症等の血栓塞栓症の治療および予防に用いるほか, 術後の深部静脈血栓症の治療および予防にも用いられる. しかしながら, WFはバルビツール酸系の薬剤や, フィブラート系薬剤, スルホニル尿素系糖尿病用剤等, 多くの薬剤との相互作用が知られている. WFとの薬物相互作用は抗がん剤においても5-FU系の薬剤等との相互作用が報告されている1, 2). 一方, パクリタキセル・カルボプラチン併用療法(以下, TC療法と略す)は卵巣がん, 非小細胞肺がん等に広く使用されており, がん化学療法における主要レジメンの1つとなっている. 特に, 卵巣がんでは術後化学療法として標準的に使用されている. したがって, 卵巣がんの術後には, 抗凝固療法としてのWFと, 術後化学療法としてのTC療法が併用される場合があり, 神戸大学医学部附属病院(以下, 当院と略す)においても, 併用症例が散見される. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.37.443 |