乳房温存術後にPaget病を発症した1例

今回われわれは乳房温存術後にPaget病をきたした症例を経験したので報告する.症例は64歳,女性.他院で乳癌と診断され(TisN0M0 pStage 0)左乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検が施行された.術後に温存乳房に対し放射線照射が行われた.術後1年半より患側乳頭部にびらんが出現し,皮膚炎として経過観察されていた.術後5年になりびらんの範囲が拡大し皮膚生検を施行したところ,Paget病と診断され当院を紹介受診した.乳房温存手術後のPaget病型再発と診断し左乳房切除術を施行した.このようなPaget病の発症は比較的まれであるが長期にわたり経過観察されることが多く常に念頭におく必要がある...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 4; pp. 774 - 779
Main Authors 宮崎, 勝, 中村, 力也, 渡邉, 善寛, 山本, 尚人, 尾内, 康英, 杉山, 孝弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.774

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Summary:今回われわれは乳房温存術後にPaget病をきたした症例を経験したので報告する.症例は64歳,女性.他院で乳癌と診断され(TisN0M0 pStage 0)左乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検が施行された.術後に温存乳房に対し放射線照射が行われた.術後1年半より患側乳頭部にびらんが出現し,皮膚炎として経過観察されていた.術後5年になりびらんの範囲が拡大し皮膚生検を施行したところ,Paget病と診断され当院を紹介受診した.乳房温存手術後のPaget病型再発と診断し左乳房切除術を施行した.このようなPaget病の発症は比較的まれであるが長期にわたり経過観察されることが多く常に念頭におく必要がある.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.774