鈍的胸部外傷後の前縦隔出血により発症した稀な心タンポナーデの1例

症例は37歳男性で,作業中にトラックから転落し,胸痛を訴え近医に緊急搬送された.胸部CTの結果,外傷性の心タンポナーデを認め,緊急手術のため当院に搬送された.術中所見では,心嚢内の心大血管に損傷はなく,前縦隔の出血が心膜の裂傷(心膜破裂)から流入し心タンポナーデを発症していた.胸部外傷において,心タンポナーデは,心嚢内の心大血管の損傷を示唆するが,本症例は心嚢内の心大血管に損傷を認めず前縦隔出血から心タンポナーデを発症した非常に稀な症例であると考えた....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 44; no. 1; pp. 29 - 32
Main Authors 新名, 克彦, 中村, 栄作, 児嶋, 一司, 横田, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2015
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.44.29

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Summary:症例は37歳男性で,作業中にトラックから転落し,胸痛を訴え近医に緊急搬送された.胸部CTの結果,外傷性の心タンポナーデを認め,緊急手術のため当院に搬送された.術中所見では,心嚢内の心大血管に損傷はなく,前縦隔の出血が心膜の裂傷(心膜破裂)から流入し心タンポナーデを発症していた.胸部外傷において,心タンポナーデは,心嚢内の心大血管の損傷を示唆するが,本症例は心嚢内の心大血管に損傷を認めず前縦隔出血から心タンポナーデを発症した非常に稀な症例であると考えた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.44.29